もど記

はてなダイアリーとはてなハイクの後継

石山徳子*1によると、こうした「核」の影響を受ける土地には、往々にしてアメリ先住民族が古くから聖地としていた土地や、彼らの居住区の近辺が選ばれることが多いという。それじたいは、エスニック・マイノリティをめぐる政治的な問題であり、受け入れにあたっては政府や電力会社からの補償といった経済的な要因も大きな影響を与える。だが何より興味深いのは、先住民族の中でも核廃棄物受け入れに賛成する若い世代の中に見られる、受け入れと補償を通じて部族の結束と誇りを取り戻したいという意見だ。ある意味で彼らの聖地は核廃棄物によって穢されているのだが、そのことがかえって聖地の宗教性を高めてしまうのである。(ウェブ社会のゆくえ 〈多孔化〉した現実のなかで (NHKブックス) p.193)