もど記

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妖怪ラジオの想い出

片付けをしておりまして抽斗を空にしたら、底から妖怪ラジオが出てきました。
妖怪ラジオ。それは境港の水木ロードのお土産屋さんで買ったポケットラジオです。
道中にある妖怪の銅像の近くへ行くと「何か」が語りかけてくるという趣向でした。ところどころに弱い電波を出す発信機のようなものがあり、近くにいけばラジオで受信できて、その妖怪についての語りが聴けたんでした。たぶん語り手は砂かけばばぁだったと思うんだけど。
別にわざわざこのラジオを買わなくてもラジオならなんでも受信できたはずですが、その時は持ち歩いてなかったし、安かったしまあお土産ですわね。
この「電波」というものと妖怪との親和性を感じて、なかなかうまいことやるなあと思いました。実際は音を拾うのは難しかったように記憶しています。でもそれこそ妖怪っぽいね。
それはかなり前のことです。どれくらい前かというと、その時水木しげる記念館では『妖怪大戦争』の予告編を繰り返し流していたという、そういう時期です。あの神木隆之介さんが子役として主演していた映画です。2005年だと思います。忌野清志郎も出てたなあ。
少しは普通のラジオとしても使ったと思いますが電池もそのままにずっと眠っていたもので、使えるのかどうか、電池の液漏れがあるのでは? と恐々スイッチを入れてみたところ、なんと地方ラジオの音声がほんのかすかに聞こえるではありませんか。液漏れもなくよく電池が残っていたものです。しかし、ボリュームを上げると「ぷーーーん」という音がするだけ。やはり電圧が足りないようです。しかしこの「ぷーーーん」が、なんとも妖怪のイメージにぴったりで、ちょっと楽しい気分になりました。電池を入れ替えればAMは十分聴けるようでした。「ぷーーーん」はなくなってしまったけれど。
妖怪ラジオ、現地で今もまだやっているのかどうかはちょっと調べた限りではわかりませんでした。多分もうないんじゃないですかねえ、当時もだいぶ設備がくたびれてた感じでしたしね。
検索したら個人ブログがひとつだけ見つかったので参考リンクをつけます。まさにそこにあるそものものです。時期もぴったり。
plaza.rakuten.co.jp
なんか今はもっと、スマートフォンをかざしたらその画面に妖怪が映ってるとか、もっともっとハイテクなことをやってるっぽい。それはそれでかなり妖怪。
さりながらやはり、電波を探るラジオ、そこから聞こえる「ぷーーーん」に私は妖怪を感じました。まるであの頃の境港と今ここがつながったような不思議さも。
初出:
misskey.soda-net.com