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宇津井健氏の訃報にふれて

私は、映画の内容を覚えていられないのです。かろうじて「いい映画だった!」ということは覚えていることもあるのですが、話の筋やシーンは全く覚えていないことが殆どです。ですから『新幹線大爆破』も細かいことはあまり覚えていないのですが、いい映画だったことだけは覚えています。それともうひとつ覚えていることがありました。
この映画で宇津井さんは運転指令室長という中心的で重要な役を演じています(ウェブで調べました)。それで、懐中時計で時刻を確かめたり時間をはかったりする場面が何度かあったのですが、その時に時計の鎖(紐かもしれません)を扱う手の動きが素晴らしく美しかったのです。その美しい動きによって、その時計が彼の仕事にとって大切な道具であることがよくわかるのです。ひいては、彼の仕事に対する態度というものもよく象徴している動きだと思いました。そして、彼にとって仕事がどういうものであるのかということは、この映画の重要な柱だったはずです。
おお、結構覚えてるな! 自分にしては覚えてるほうだな、と今思いました。強く印象に残った彼の美しい手の動きによって、この私がこんなに映画の内容を覚えていることができたのです。
これからも覚えていようと思いました。宇津井健の名前をあの手の動きと共に覚えていたいです。