もど記

はてなダイアリーとはてなハイクの後継

「おれら年とったなあ」

ザ!鉄腕!DASH!!』の特番を視ました*1。番組後半ではDASH島で舟屋をつくる企画を完成まで紹介していました。
このなかで私がひきつけられた場面が2つあります。
ひとつは、舟屋の床材を調達するために行った製材所の場面です。はてなハイクにも少し書いたのですが、山口達也氏がこれまでの経験からやたらめったら専門的なことに詳しい。それに対して貯木場やら製材所やらの関係者がとても面白がっているようにみえたのです。皆さんが仕事を大切にしていることがよくわかりますし、特に製材所の人は木を、木を使って作ったものをとことん愛している。彼はついにはTVカメラに向かってその熱い思いを語りかけはじめるのです。こういう仕事の現場と、それに携わる人々の魂のありさまが垣間見えることがあるのがこの番組の面白いところです。島のウサギのくだりをもう少しコンパクトに編集してあの製材所の人の語りをもっとたっぷりきかせてもらいたかった。そこがつくづく残念です。
もうひとつは、番組宣伝でも、番組中でもさんざん煽りまくった「涙」のシーンです。この番組に限ったことではありませんがあの手法はよくないですね。「このあとすぐメソッド」とでもいいましょうか。その手法にうんざりするあまりに内容そのものにあまり期待はできないと思っていたのですが、私にとってこのシーンはとても胸に迫るものでした。
舟屋の床板を張る作業をひとりで担当していた城島リーダーはある失敗をしてしまいます。それがわかって他のメンバーは「あちゃー、やっちゃったね」という感じでまあ、笑いながらそこへやってきます。城島氏は肩を落として意気消沈した様子にみえます。番組的な演出もありましょう、「やってもたー」「やっちゃったねー」というコントみたいなやり取りもありましたが、そこで松岡氏が言うのです。「まあ、失敗はしちゃったけどさ、まずはこれ(できあがった床)を誉めようよ!」と。立ち上がって部屋の端まで歩いていき、城島氏と山口氏の方に振り返っていいます、「広いよーこれ」「ここで宴会できるね」「(宴会をしている様子の)絵が(頭の中に想像として)浮かぶね」と。
それをみて城島氏が泣き始めます。「松岡ぁー、なんでそんなに優しいねん」「普段とっぽい、一番悪ぶってるのに」と。それをみて「なんで泣いてんだよ!」と突っ込む松岡氏もだんだん涙ぐんできています。
そして、「お前ら、年とったなあ!」と突っ込む山口氏も、目を手で覆っているのでした。
TVのバラエティ番組ですもの、段取りも打ち合わせもあるでしょう。ドキュメンタリーをみているわけではないことは私もわかっています。いやむしろ、演出でこれだけのものを作れたのだとしたら、スタッフと出演者の力量は大したものです。
これの何に心を揺さぶられているかって? 決まってるじゃないですか。城島氏は私と同い年なのですよ。
「平均年齢40歳の男たち…」というナレーションがありました。松岡氏など随分と若いイメージを持っていたけれど、いつのまにか37歳になっていたのですね。
そして、あの場面で「まずはこれを誉めようよ!」と言う松岡氏の態度は、全く尊いです。どんな人にとっても学ぶべき態度です。そりゃあんなこと言われたら、リーダー泣くわな。
(※セリフなどは、記憶にもとづいてだいたいの内容を再現したもので、正確ではありません)
(※追伸:山口さんこんなに器用なんだから、免許の更新は忘れんようにな! 勿体ないから!)