もど記

はてなダイアリーとはてなハイクの後継

菅野 男子校に入った途端人嫌いになったと言いましたけど、今のお話を聞いていて思ったのが、当時の男子校生の女性への感覚というのが、何というか、要は「女好きのくせに本当の意味で女を愛していない」と僕は思ったんですよ。
小島 ああ!(強く頷く)。
菅野 「こいつらの女好きの底の浅さよ*1」という……。逆に「俺は本当の意味の女好きだ」と(笑)。本当の女好きのお手本は誰かと探したらその頃の僕には谷崎だった(笑)。
小島 女好きの師匠(笑)。
菅野 結局、リスペクトがないんですよね。ホモソーシャルというか、同質的な男の仲間内だけでリスペクトしあったり関係性を築くのであって、女は言ってみれば性的な対象であり道具という位置づけという気がしてたんですよ。
小島 その手の男性は必ず私に言うんです。「俺の持っている女のイメージを女のお前がぶち壊すんじゃねーよ」と(笑)。「あんたの頭の中の都合のいい女なんかどこにもいないよ!」と思うんですが(笑)。
菅野 あはははは。
(二〇一三年六月二八日 筑摩書房にて)

「こんな時代の読書とは?」菅野仁、小島慶子(ちくま2013年9月号)

http://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/entry/895/

*1:強調引用者